心のリハビリ
なかなか書けずにいたのですが、
検査入院以来、気にかかっていたことがありました。
それは・・・。
投薬治療を始めてから、
ペコの様子が、以前とは、少し違ってしまったこと。
仕草や、視線、表情が、
どことなく険しかったり、ぼんやりしたり。
そして、何より一番気がかりだったのは、
しっかり私の顔を見てくれなくなってしまったこと。
いつも自信なさげに、伏し目がちで、
たまに私と目があっても、オドオドした様子で、
すぐに視線をそらしてしまう。
これが、もしや薬のせいだったら、
それもありのままのペコの姿であり、
丸ごと受け入れなくちゃ!と思い、
ペコには、以前のように楽しく、明るく接するように心がけていました。
日常でも、お散歩でも、
何が特別なことができた!からではなく、
普通に歩けること、走れること、おやつを食べられること、
脚を上げてシッコができること、などなど・・・。
今まで以上に一緒に喜んで、褒めていました。
歩きながら途中で立ち止まった時には、
私も立ち止まって、ペコの見つめる視線の先を一緒に見て、
風の匂いを感じたり、耳を澄ませて遠くの音を聞いてみたり・・・。
それは、決して「わざとらしい」ものではなく、
今こうして発作の心配をせずに、
健やかでいられることが、心から嬉しいことに思えたから。
たまに吠えても、ガウっても、
興奮して走り回っても、
それすら、私にとっては「元気でなにより♪」と嬉しく思えたから。
投薬治療が始まって、一か月が過ぎたこの頃。
少しずつ、ほんの少しずつではありますが、
ペコの様子が変わってきました。
以前のように、私をしっかり見てくれるようになってきたように思うのです。
入院先の病院では、とてもよくして下さったのですが、
それでもやっぱり、色んな経験をしたせいで、
臆病になっていたのかもしれません。
人と視線を合わせることが、怖い。ような。
目をそらして、伏し目がちになってしまったのは、
決して薬のせい。ではなくて、
ペコの心が、そうさせてしまったのかもしれない。
知らない場所、知らない人の中で、
ペコなりに、順応しようと一生懸命頑張ったんだろうな。
ペコを病院へ迎えに行った時、
私たちと再会して、ペコはとても喜んでくれました。
でも、ペコを連れてきたスタッフのお姉さんが、
私にリードを託し、立ち去って行くのを、ペコは追っていったのです。
頼る人のいない病院では、
きっと、スタッフのお姉さんを頼りにしていたのでしょう。
犬にだって、感情があって、心がある。
怖いものは怖いし、
痛いものは、痛い。
それでも頑張って、環境に順応しようとする健気な犬。
それに甘えているのは、人。
安心して暮らせるように。
安心して眠れるように。