行動を変えたのではなく、蛇口の型を変えていたんだ
昨日までの寒さと打って変わり、今朝は気温が高めなペコ地方。
気圧もぐーんと下がってきています。
人もそうだけど、犬だって、気圧の変化に敏感な個体がいるのですよねぇ。
さて。
先日からコメント下さっている方の犬さん。
ペコと同じようなスイッチが入ることを知りました。
多くの犬はそうでないのかもしれないけれど、
飼い主を噛む犬の行動は、学習によるものが全てではない事を、
やっぱり知ってほしいなぁ。と思います。
そんなわけで、長文の予感 ( ̄▽ ̄)
これは、長い胴(笑)
ここで言う学習というのは、
噛むことで、犬の思い通りになったから、噛みが増えた。とか、
噛むことで、嫌な目にあったから、噛みが減った。とか、
噛みって、そういうオペラント的なものだけじゃないってこと。です。
ペコの私への噛みは、転位(転嫁)行動でした。
散歩中、遠くに人影が見えたとか、枯葉が風で飛ばされてきたとか、
そういう目に見えるものもあったけど、
私には理由のわからないものも多くありました。
何かわからないけれど、ペコにとって刺激となるものがあって、
その刺激を自分で処理できず、
どうしようもなくて、私へガウガウ噛みついてきたのです。
行動生物学辞典より抜粋します。
転位行動。
攻撃するか逃げるかというような、葛藤や欲求不満の状態において、
その場の状況とは関係のない、体を舐めたり、掻いたりすること。
おぉ!尻尾を追うとか、高速回転とかって、
まさにそれ風味だよね!
転嫁行動。
転位行動と同じように、葛藤、欲求不満の状態において、
むける対象が本来向けるべきものから異なっている場合。
例えば、ニワトリの場合、つつく欲求を満たす敷ワラなどがないケージ飼いでは、
その代わりにケージ内の他個体の羽毛をつつく。など。
うわぁ、これが、まさに、私へのガウガウちっくだ ( ̄▽ ̄)
そんでもってね、改めてこの転嫁行動を調べている時に、
まさにぴったりの表現があったよ。
動物行動学者のコンラート・ローレンツが提案した、
水力学モデル。
水槽に上からたえず水が流れこんでいます。
この水槽に、たまった水が衝動。
水槽の下には、栓がついた蛇口があります。
何らかの刺激によって、栓がひっぱられて抜けると蛇口から水が噴き出す。
この水の噴出が、行動を示すもの。
水が噴出するかどうかは、衝動の大きさ(水槽内の水圧)と、
刺激の強さで決まります。
けれども、どんな型の行動が起こるかは、蛇口の型によって決まるのです。
同じ衝動にもどづく同じ種類の行動でも、その型は動物の種類によって異なる。
蛇口の型も違う。
多くは生まれつき蛇口は完成されていて、遺伝的に決まっていて、
同じ種類の動物は、同じ条件のもとでは、同じように行動する。
学習する必要はほとんどなく、必要があったとしても、
蛇口を削って変形する程度のもので、型の本質的な変更には至らない。
このように、一定の遺伝的に型のきまった蛇口に従った行動がおこる場合を本能という。
動物の種類。となってますが、
個体によってその型は少しずつ異なるんじゃないかしらん。
さすればペコのように、
遺伝的に刺激に対して敏感な蛇口を持つ個体がいたとしても、不思議じゃない。
型の本質的な変更には至らないかもしれないけれど、
蛇口を削って変形することは、できるはず。
また、水槽だって大きくすることもできるかもしれない。
ペコの転嫁的なスイッチ噛みは、
コツコツ快刺激を対提示する取り組みによって、
エンドレスなガウガウ噛みだったのが、少しずつ減ってきて、
今では散歩中に噛むことが、全くなくなりました。
本日の夕んぽ。
苦手なガキンチョ大量発生にもかかわらず、
尻尾を力強く上げて、一度もガウることなく、ペコなりに堪能できたよ♪
噛むという行動を変えようとしたのではなく、
蛇口を削って変形してたんだなぁ。って、今更ジロー。
蛇口が変形したことによって、噛まなくてもよくなった。みたいな。
そんでもって、水槽も大きくなってるのかもしれない。
っていうか、蛇口を変形させずして、行動だけを変えた時、
その水圧はどこにいくの?って感じだよね。
だから、ペコのような本能的な衝動による噛みに対して、
オペラント的なトレーニングで解決しようとするのは、
なかなか難しいんジャマイカしらん。
私は、ここで、
蛇口を削る職人になりました ( ̄▽ ̄) え?