子の親であり、親の子であり
以前にも書きましたが、
お盆に帰省した時に、実家の母の物忘れがひどく、それが気がかりでいました。
その後、父とメールで連絡を取り合っていたのですが・・・
実家の父はかなり温厚な人柄ですが、母の物忘れに参っていて、
「時々声を荒げちゃって。まだまだ修行が足りんなぁ・・・」とメールにあり、
その言葉が今回の実家行きを決断させました。
「実家の母の物忘れを、なるべく早い段階で診察してもらうよう本人にすすめる。」
これが今回の主題です。
父の口からは、どうしても母にそれをすすめる事ができないようです。
本人のプライドを傷つける事ができない・・・と。
そんなわけで、この3連休は私ひとりで名古屋へ。
ペコ父と、子供たちはお留守番。もちろんペコさんも。
子供たちはそれぞれ、模試や駅伝大会などがあり、
さらには、ペコの病院の予約日も重なっていたりして、
ペコ父は、頑張ってそれらをこなし、家事もやってくれたようです。
まる2日間、かなりのプレッシャーと緊張からか、
ペコ母が帰ってくるやいなや、体調不良になり、寝込んでしまいました^^;
(今日は復活しています♪)
さて、実家の様子ですが・・・。
母を目の前にすると、
「その物忘れ、だいぶひどいから、病院へ行った方がいいよ。」
この言葉がなかなか言い出せません。
普通に話せる時もあるんです。
会話もちゃんとできるし、膝が痛いとは言いながらも、
炊事、洗濯、掃除、父の仕事の手伝いなどもやっているようです。
部屋もきちんと整頓されていました。
私がひとりで実家に泊まるなんて、嫁に行って以来、
ほとんど初めての事なので、とても喜んで、
あれこれ世話も焼いてくれます。
でも、やっぱりヘンなところもあります。
お盆に帰省した時にプレゼントしたシャツを着ていたので、
「お母さん、それすごく似合ってるよ♪」と言うと、
「あぁ、これ。お父さんに買ってもらったんだっけ?」
「いやいや^^;こないだ来た時、私が福井で買って、持ってきたんだよ。」
「あぁ、そうだったね!」
その後しばらく別の話をし、またシャツに話題をふってみました。
「それ、やっぱ似合うわ!」
「あぁ、これ。お父さんに買ってもらったんだっけ?」
「いやいや^^;こないだ来た時、私が福井で買って、持ってきたんだよ。」
「あぁ、そうだったね!」
無限ループです。
実家にいる間、この会話を何度もしてしまいました(汗)
よく観察していると、どうも新しい記憶が定着しずらいようですね。
昔の事はとてもよく覚えているので、
自分の得意な昔の話に持っていこう・・・という様子が随所にみられました。
結局、初日はそれらしい事が言えず・・・
ダメじゃん、私(汗)
明日こそ!!
翌日、外食した時に、話題を「介護保険」に持って行きました。
事前にメールで打ち合わせしていたので、父もノリノリで話題についてきてくれます。
私の知り合いにも、お姑さんの物忘れが激しくて、
病院で進行を止めるお薬をもらっていて、
初期の段階だけど、介護申請をして「要支援1」になった事など話すと、
父も「そうだ!自分が動ける時に申請をしておかないと、いざとなった時じゃ遅いからな!」
「健康診断のつもりで、一度病院へ行こう!」と母にすすめます。
そんな感じで、食事中の会話のほとんどが、
介護保険の話になってしまいましたが、
帰る頃には、母も「病院へ行ってみようかな。」という気持ちに傾いてくれたようでした。
あれこれ考えた末に、急遽決行した今回のひとり里帰りでしたが、
ずっとモヤモヤしていた気持ちが、少し晴れたような気がします。
このところずっと「疲れたなぁ〜」と思いながら、
日々をなんとか終えるという毎日だったのですが、
今回、実家から帰ってきて、すごく元気になった感じ。なんでだろ?
「母のため」と思って行った実家でしたが、
久々に両親と色々な事を話し、心の洗濯ができたのかな?
子の親であるけれど、親の子なんだな・・・としみじみ思いました。
家に帰って子供たちに実家での出来事を話しました。
「またひとりで行ってきてもいいよ!」
君たちは、なんて優しいの?
こんなできの悪い母ですが、良い子に育ってくれているな・・・って。
親バカですが。
親はいつでもわが子には「親バカ」で、
それは一生続いていくものなんですよね。
さて、実家の母の事も、ようやく次のステップへすすめそうです。
ぼくはおかあさんがいなかったから、
とてもさみしかったんだよ。